low-lawの独り言

23歳が振り返る法律と読書と進路

法学部に進む必要はない〜司法試験、大学受験の勘違い〜

私は法学部出身ですが、振り返ると弁護士になるために法学部に進学する必要はないし、司法試験合格のために大きな不利益もないと思います。

 

私は地方の公立高校出身です。

親族には法曹関係者はいませんが、中学生の頃から弁護士を目指しており、国立大学と私立大学(センター利用のみ)それぞれ法学部のみを受験しました。

運良く私立大学に合格しそのまま進学を決意しました。

国立大学が第一希望だったので浪人も考えましたが、以下の理由から現役で進学することにしました。

 

・1年でも早く弁護士になりたいし、進学予定の私立大学の実績からすると弁護士になることは十分可能である

ロースクールで第一希望だった国立大学に進学できれば良い

 

合理的な理由であるように思いますが、別の可能性を考えておらず、またアドバイスをくれる人が周りにいなかったことは、今から考えると非常にもったいなかったなと思います。

 

私の大きな勘違いは

 

・法学部の授業をしっかり受けていれば司法試験に合格する。司法試験は法学部の授業の延長

司法試験予備試験は合格難易度がS級(上位で東大に入るような人じゃないと受からない)。そのためロースクールに入るのはマスト

 

ということです。

 

まず、司法試験、予備試験の受験勉強の中心は自学でした。私は大学時代に法学部の授業の出席率は3割程度でした。授業も自学の復習程度の内容であり、出席する必要はないと感じました。確かに大学の授業の延長に司法試験はあると思います。しかし、42.195キロのマラソンに例えると、大学の授業は司法試験というマラソンの5〜10キロ程度の指導にとどまると実感しました。残りの30キロ超の走り方は自分で補わなければなりません。一方で大学の成績は上位であったと思います。これは、日々の自学がそのまま実力として血肉になっていたからです。

その大学の法学部の授業がいいから司法試験の実績が良いのだと勘違いをしていました。もちろん、ゼミなどで詳しく勉強できるか否かや学問的観点から研究できる環境かはその大学の法学部に依存してきます。しかし、単に司法試験に受かるかどうかであれば大学や学部はそれほど関係がないと思います。

 

そして、予備試験についても難易度は思っていた(東大の中でも上位でなければ合格できない)ほど高くはなかったのです。大学時代は1日平均2〜3時間の勉強時間でした。確かに試験直前の1、2ヶ月は10時間以上勉強しましたが、3、4年継続して2〜3時間の勉強を続ければ十分受かりうる試験なのです

 

 

以上からすると、他学部でも予備試験に受かることは十二分に可能であり、司法試験に合格するために法学部に進学する必要はありません

また、学部在学中に予備試験に受からなくても未修者としてロースクール進学は可能です。未修者の方が合格率が低いのは、単に学部時代に司法試験に向けた勉強をしてこなかった人が多いからではないかと私の周りの人の体験からも推測されます。未修者に進むことが茨の道であるとは考えられません。

 

 

振り返ると、私は法学部に拘って受験勉強をしていましたが、高校時代は理系科目の方が得意でした。弁護士になりたい→法学部に入らなければならない→文系に進もうという思考課程だったのです。理系学部を受験して理系の素養もあったほうがむしろ弁護士になってから有利であるのではないかと思います。

前述していますが、学問的に法律を研究したいという考えもあるのであれば話が変わってくる場合も多々あります。

しかし、やはり弁護士になりたい、法曹になりたいだけであれば受験については法学部だけでなく可能性を広げて考えてみてもよいのではないかと思います。